3 保険会社から示談提示を受けたが、それが妥当なものか知りたい方へ

保険に関する話

Q5.示談してしまった後に、やり直しはできますか?
A5.示談成立当時には、予想できなかったような後遺障害が生じたり、症状が著しく悪化したため、本来締結すべきではなかったにも関わらず、示談契約をしてしまったと認められる場合には、被害者は、後日、その損害の賠償を請求できます。
示談契約書には「(本示談契約の成立をもって(もしくは履行を条件として))本件事故に起因するその余の損害賠償請求権を放棄し、加害者等に請求しない」という趣旨の一文(請求放棄条項)を入れるのが通常です。
示談は、和解類似の無名契約と解され、当事者がこれに拘束されるのは契約自由の原則上当然のことであり、実際、加害者側としては、紛争が終了したことの証として、示談書を締結するのであって、その合意に何の拘束もなく、被害者側の請求を許すのでは、示談契約を締結する意味がありません。
他方、交通事故に起因して生じる後遺障害の存否、程度を始め、事故に起因して生じる損害を予測することは困難ですので、絶対的な拘束力を認めることも妥当ではありません。そこで、特別の場合には、示談の拘束力を制限することが必要となります。そして、示談も契約ですので、その文言や、示談に至る経緯(症状固定時、示談時の症状)等の事情から、当事者の意思を合理的に解釈することによって、請求放棄の範囲が決まることになります。
そのため、①予想できなかったような後遺障害が生じた場合、②後遺障害が重篤化した場合等は、新たな拡大損害の請求が認められる場合があります。