2 後遺障害が残ることが心配な方へ

一般的な話

Q3.むちうち症の場合に、後遺障害が認められるポイントはありますか?
A3.患者側の対応としましては、①事故直後に病院を受診して、具体的かつ正確な症状を医師に伝え、必要な検査を受けること、②人身事故の届出をすること、③通院の間隔をあまり空けることなく、(少なくとも6か月間)真摯に治療を受けることが必要と思われます。
頚椎の脱臼や骨折などの骨傷や頚髄損傷を伴わない「外傷性頚部症候群」「頚椎捻挫」「頚部挫傷」などのいわゆる「むち打ち症」については、将来においても回復が見込めない症状であることを、医学的に証明・説明できる場合には「神経系統の機能または精神」の障害として等級評価します。この場合、症状の存在を医学的に証明可能か、受傷時の状態・治療の経過などから、その妥当性が判断できるかを前提に等級評価することとなります。
「局部に頑固な神経症状を残すもの」(別表第二第12級13号)とは、残存する症状が、神経学的検査所見(神経根誘発テストや深部腱反射テスト等)や画像所見(レントゲンやMRI等)などの他覚所見により、医学的に証明し得るものがこれに該当します。
「局部に神経症状を残すもの」(別表第二第14級9号)とは、残存する症状が神経学的検査所見や画像所見などから証明することはできないが、受傷時の状態や治療の経過などから、連続性・一貫性が認められ説明可能な症状であり、単なる故意の誇張でないと医学的に推定されるものがこれに該当します。
以上より、患者側の対応としましては、①事故直後に病院を受診して、具体的かつ正確な症状を医師に伝え、必要な検査を受けること、②人身事故の届出をすること、③通院の間隔をあまり空けることなく、(少なくとも6か月間)真摯に治療を受けることが必要と思われます。
なお、等級認定に必要な通院期間は、具体的に決まっているわけではありません。しかし、症状の永久残存性を評価するため、一般に「6か月以上の治療期間」が等級認定に必要とされている節があり、これは自賠責保険が準拠する労災保険における障害の等級認定の基準「医学上妥当と認められる期間を待って、障害の程度を評価することとし、症状の固定の見込みが6か月以内の期間においても認められないものにあっては、療養の終了時において、将来固定すると認められる症状によって等級を認定することとする」からきているものと思われます。