2 後遺障害が残ることが心配な方へ

一般的な話

Q4.事前認定と被害者請求の違いを教えてください。相手方の保険会社に後遺障害診断書を提出するように求められましたが、提出していいでしょうか?
A4.被害者請求は、直接被害者が必要な資料などを揃えて手続きを進めていくというもので、これに対して事前認定は、任意保険会社に任せるというものです。
客観的に明らかな障害(欠損障害や醜状障害等)でない限り、被害者請求を選択した方がよいといえます。
後遺障害等級認定の手続は、大きく自賠責保険会社への被害者請求(自賠法の16条に基づくものですので、俗に16条請求といいます)と任意保険会社を通じた事前認定という手続に分かれます。
具体的に、被害者請求のメリットとしては、①自賠責保険会社に提出した書類を自ら把握できること、②後遺障害等級が認定されると、自賠責保険から認定等級に応じた保険金を受領できること、③自賠責保険金を受領し、既払金として処理する関係上、後日、残額を請求(提訴)するため際の印紙代(裁判所へ納める費用)が安くなることが挙げられます。
また、事前認定の場合、任意保険会社は後遺障害等級認定のために必要な資料で、かつ、手元にある診断書や診療報酬明細書、画像等しか出さず、積極的に後遺障害等級の認定を得ようとする努力は行いません。したがって、客観的に明らかな障害(欠損障害や醜状障害等)であれば事前認定でも特に問題はないと思いますが、脊髄損傷や高次脳機能障害等の特有の医証が必要である事案、又は14級か非該当かの判断が分かれるような事案については、積極的に必要な資料を揃えて出すという点において、被害者請求を選択した方がよいといえます。