松本永野法律事務所
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Traffic Accident Case

Case 040 頚椎捻挫及び腰椎捻挫等を負った被害者につき、訴訟手続きにより、獲得金額が保険会社提示額の約2.5倍に増額した事例

  1. 人身事故

担当弁護士北島 好書
事務所朝倉事務所

ご相談内容

女性

依頼主
Nさん(30代・女性) / 
職業:兼業主婦

福岡県久留米市在住の30代兼業主婦のNさん(女性)は、普通乗用自動車を運転し、信号機による交通整理の行われていない十字路交差点を直進していたところ、一時停止線が存在する交差道路より進入した普通乗用自動車に衝突され、頚椎捻挫、腰椎捻挫等の傷害を負い、約5か月の通院を余儀なくされました。

弁護士の活動

弁護士

Nさんは、今後どのように手続きを進めればよいのか分からず、当事務所に相談に来られました。当事務所はNさんの治療終了後、示談交渉を開始しましたが、金額が折り合わず決裂しました(同時点における加害者側の提示額は約52万円。)。

そのため、当事務所は、適正な賠償を受けるため、福岡地方裁判所久留米支部に訴訟提起しました。

解決結果

女性

本件訴訟における主な争点は、①休業損害、②傷害慰謝料でした。

休業損害について、加害者側は、休業の必要性・相当性が認められるのはせいぜい1か月程度にとどまるとか、家事を専業とするものに比べて家事労働の負担割合が少ないため、基礎収入において減額がなされるべきなどと主張しました。しかし、当事務所の立証活動により、裁判所は、基礎収入を減額することなく、通院期間中の通院日については100%の労働能力喪失を認め、その余の日については症状等も考慮して50%の労働能力喪失を認めました。

また、傷害慰謝料について、加害者側は、通院期間に比して実通院日数が少ないことため、頻繁な通院の必要がないほど回復し、日常生活を過ごしていると考えられることから、精神的な苦痛はほとんどない等と主張しましたが、当事務所の立証活動により、裁判所は、加害者側の主張を退け、当事務所の主張(通院期間を前提とする傷害慰謝料)を採用しました。

以上より、加害者側が、Nさんに対し、既払金のほか160万円を支払うとの内容で和解が成立し、結果として、大幅増額を実現することができました。

弁護士のコメント

弁護士

家事従事者が事故により家事ができなかった場合に、家事労働を金銭的に評価するというのが最高裁の立場であり(最高裁昭和50年7月8日判決・交民8巻4号905頁)、賃金センサス(厚生労働大臣官房政策調査部の企画の下に、都道府県労働基準局及び労働基準監督署の職員及び統計調査員による実施自計調査として行われている、賃金に関する統計として最も規模の大きい「賃金構造基本統計調査」のこと。)第1巻第1表の産業計・企業規模計・学歴計・女性労働者の全年齢平均の賃金額を基礎として、損害を算定するというのが、実務の扱いになっています(ただし、被害者の年齢、家族構成、身体状況、家事労働の内容等に照らし、上記の平均賃金に相当する労働を行い得る蓋然性が認められない特段の事情が存在する場合には、年齢別平均賃金を参照するなどして適宜減額することとなります。)。

本件事案では、確かに、Nさんの実通院日数は通院期間に比して少なかったといえますが、当事務所の立証活動により、裁判所は、休業損害及び傷害慰謝料のいずれも、通院期間を通じて認定しております。

本件のように、加害者側より、実通院日数が少ないことを理由に休業損害及び傷害慰謝料の大幅な減額を主張されたとしても、具体的に主張立証することにより適正な賠償を受けることは可能ですので、あきらめずに、弁護士に相談して頂きたいと思います。