1. 懲戒事由とは
懲戒処分の対象とする懲戒事由は、就業規則で列挙され、抽象的に表現されていることが多いはずです。おそらく、こちらをご覧になっている方の会社でもそうだと思われます。
しかし、裁判例によると、具体的な事案において、就業規則上に記載されている懲戒事由に該当するか否かを判断する場合、労働者保護の観点から、文言を限定的に解釈して適用する傾向にあります。
以下では、主な懲戒事由として、(1)経歴詐称、(2)職務懈怠、(3)業務命令違背、(4)業務妨害、(5)職場規律違反、(6)従業員たる地位・身分による規律の違反、があり、それぞれについて裁判例による解釈の仕方を検討していきます。