1. 従業員に対する解雇~労働契約上の解雇権濫用規制について~
そもそも「解雇」とは、法律的にどのような意味でしょうか。一般的な定義として「解雇」とは、使用者(会社)による労働契約の解約とされています。「解雇」は労働者にとって、通常、生計の糧となる給与を受け取ることが一方的にできなくなる重要な処分です。
そこで、判例上「解雇」をするには、一定の制限がかかっていました。それを法律にしたのが、労働契約法16条における解雇権濫用法理の明文化です。具体的には、「解雇」は客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして、無効とされています。