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Case 006 少額(50万円未満)の借金しかなかったものの自己破産の申立てを行い、同時廃止・免責が認められた事例

  1. 自己破産

担当弁護士埋田 昇平
事務所福岡事務所

ご相談内容

男性

依頼主
Fさんさん(50代・男性) / 
職業:無職
債務総額:100万円以下

福岡市在住のFさんは、仕事上のストレスから精神疾患を患い10年程前から生活保護を受給して生活していましたが、生活保護受給中であるにもかかわらず銀行のカードローンで借入れをしてしまいました。一部は返済しましたが、結局返済に行き詰ったことで銀行から訴訟を提起され、請求認容判決を受けてしまいました。
そのため、Fさんは、預金口座が差し押さえられるのではないかと心配し、当事務所に相談に来られました。

弁護士の活動

弁護士

当事務所がFさんの債権調査を行ったところ、Fさんの債権者は2社で負債総額も約35万円と少額でした。
ただ、Fさんは生活保護受給中であって債務の返済ができない状況であること(生活保護で受給したお金を借入金の返済に充てることは禁止されています。)、債務総額が少額なために裁判所から支払不能と認定されるか(破産開始決定を出してもらえるか)どうかも問題になることを説明した上で、Fさんの破産申立ての準備に入りました。
当事務所は、Fさんに上記のような問題があるため、裁判所に破産申立をする段階で裁判官との面接を希望しました。また、裁判官との面談に先立って精神疾患で就労できないことを説明するために通院状況や病院で処方されている薬について報告書を提出した上、裁判官との面談の際にはFさん本人から今回の借入れについて反省していること、今後は借り入れを行わないことを伝えてもらいました。

解決結果

男性

その結果、裁判所より同時廃止による破産開始決定を受けた後、無事に免責許可を受けることができました。

弁護士のコメント

弁護士

生活保護は生活に最低限必要な金額を支給するものですから、制度上、生活保護費の中から負債の支払いを行うことはできないとされています。
一方で、裁判所は、破産申立てを行った方が生活保護を受給しているということだけで当然に返済が不可能(支払不能)と認めてくれるわけではなく、その方が客観的にみて返済が不可能なのかどうかを慎重に判断します。
そのため、自己破産申立ての準備段階でこのような問題点を把握し、対応策を検討しておくておくことがスムーズな破産手続きの解決ににつながります。