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事例5(住宅ローンについて消滅時効を援用した事例)

  1. 時効援助

依頼主Eさん(50代男性)、借入先 住宅金融支援機構、債務総額 約1800万円

1.ご相談に至る経緯

朝倉郡筑前町在住のEさんは、以前、当事務所に交通事故の損害賠償を委任したことがありました。
今回は住宅ローンについて債権回収を行うサービサーから債務返済についての連絡をするようにと書かれた文書が届いたことで、当事務所に相談にいらっしゃいました。

2.当事務所の活動

サービサーからの文書にはご連絡をくださいとのことで、具体的な金額などは記載がありませんでしたので、Eさんから詳しい事情の聞き取りを行いました。
Eさんによれば、平成19年頃、住んでいたマンションを売却しローンの返済に充てたが、完済には至っていないとのことでした。当時は、Eさんは、仕事についておらず、支払い能力がないため、支払いができないと債権者には伝えていたそうです。それから、Eさんは住宅ローン残額については返済を行っていなかったのですが、10年以上経過して債権者より残債があるとのことで通知が届いたとのことでした。 当事務所は、Eさんがマンションを売却して住宅ローンを返済した年月日を確認するため、登記情報を取得して売買日を確認し、その日から10年以上経過していることを確認した上で、念のために債権者へ取引履歴の開示を請求しました。
取引履歴を確認すると、最終取引日から10年以上が経過していることを確認できましたので、受任した後、弁護士名で、消滅時効を援用する旨の内容証明郵便を送りました。

3.解決と成果

時効援用通知送付後、それまでサービサーから来ていた連絡が止まりました。

4.弁護士の所感

請求された債権によっては消滅時効期間も様々ですが、本件は、最終取引日からすでに10年以上が経過しており、消滅時効が完成している債務を請求されている事案でした。
しかし、依頼者によっては、最終取引がいつであったか、裁判をされたことがあったかなどを覚えていないこともあり、消滅時効が完成しているか判然としないことがあります。繰り返し支払いの請求があると、不安な気持ちで日々生活することで精神的苦痛を受けている方も多いと思います。また、「時効援用」について、自分でできるのか不安だという方もいらっしゃいます。
その場合には、不安を解消するという面でも、専門家に相談して、適切な対応をとってもらうことは有用だと思います。

文責:弁護士 北島 好書