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事例22(知人から経営援助を求められて立ち上げた法人の倒産を申し立てた事例)

  1. 法人破産

依頼主株式会社V、業種 飲食店、借入先 日本政策金融公庫・買掛先等、債務総額 約3500万円

1.ご相談に至る経緯

株式会社Vの代表者であるAさんは、知人より経営が悪化している飲食店の経営引継ぎを依頼され、会社を立ち上げました。しかし、経営が改善する前に天災により店舗が減少、残った店舗も赤字が続く状況でした。
Aさんは実質的に経営していた知人へ経営改善について融資・助言・注意を行っていましたが、収益は回復せず、知人は勝手に店を閉めて連絡も取れなくなり、事実上の経営継続不能となってしまいました。
これ以上法人の経営を続けることは困難だとAさんは判断し、会社の破産についてご相談に来られました。

2.当事務所の活動

Aさんは法人の代表者でしたが、実質的な経営は知人が行っていたため、経営実態について詳細な聴き取りはできませんでした。もっとも、決算報告書などはしっかりと記録されていました。また、すでに会社は閉店しており、従業員も解雇された状態でした。
そこで、当事務所において速やかに債権者に受任通知を発送し、債権者からの通知を当事務所で収集するとともに、税理士からも聞き取りを行いながら、破産手続申立を行いました。
また、申立後の管財人とのやり取りについても打ち合わせを行ってサポートを行いました。

3.解決と成果

法人破産であるため管財人が選任され、調査が行われました。代表者と管財人の打ち合わせに当所の弁護士も同席し、破産に至る経過や現在の状況について詳しく説明しました。  管財人より知人らへ貸金を請求しましたが連絡や支払いはなく、現実的に回収の可能性がないことが裁判所に認められ、第1回集会で破産手続きは終了し、免責が認められました。

4.弁護士の所感

法人の経営者の中には、ご自身が経営をされている方以外に、実質的な経営者とは別に資金提供者として代表者となられている方もいるかと思います。そのような場合、経営について実態を十分に把握できない場合もあり、会社資産や債権者などを確認することが困難な事例も見受けられます。
また、本件ではすでに閉店していましたが、実際には経営状態で破産を考えられる例もあり、その場合は従業員への告知等の配慮を行い、混乱を避ける必要があります。
法人破産は、個人の自己破産に比べて資産や負債の額が大きく、膨大な資料から必要な情報を集める作業や債権者による自力救済の防止など多くの配慮が必要となる場合も多いため、早期の専門家への相談をお勧めします。

文責:弁護士 松田 孝太朗