1. 賃借権の譲渡・転貸とは
ここでは、賃借権の譲渡・転貸に関し、その法的な内容についてご説明します。
賃貸借契約は、財物を使用させ、その対価を得ることを目的とする契約です。財物が消費されるものではないため、使用者の変更、すなわち賃借権を譲渡したり、賃貸目的物を転貸(又貸し)したりすることが可能な性質を持っています。
しかし、自らの所有物を他人に使用させている賃貸人としては、どのような人物が、どのような目的で、どのように使用しているのか、ということは重要な関心事であるので、このような使用目的等を定めて契約をしています。
賃貸借契約が、当事者間の信頼によって成り立っているというのは、以上のような性質からくるものです。
そのため、賃借人が自由に賃借権の譲渡や目的物の転貸ができるとすると、賃貸借契約を安心して結ぶことができなくなってしまいます。
そこで、賃借権の譲渡や転貸については、民法及び借地借家法上、様々な制限が規定されています。