1.悪質なケースも多い「未払い残業代」トラブル
昨今、社会問題にもなっている「残業代の未払い」は、悪質なケースも少なくありません。労働者は泣き寝入りしないためにも、残業代についての法的な権利の知識と正しい理解を身につけましょう。
(1)そもそも「残業」とは?
労働基準法では労働時間について、1日8時間、1週間40時間を上限と規定しています(休憩時間は除かれます)。これを「法定労働時間」といいます。
使用者は、事業所ごとに就業規則等で法定労働時間の枠内で労働時間を定める必要があります。これを「所定労働時間」といいます。
この所定労働時間を超えて労働することを「残業」といいます。
法定労働時間を超えて労働させるには、あらかじめ「三六(サブロク)協定」の締結と届出が必要となります(労働基準法36条)。