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Case 020 元夫に名義貸しをしたことで負った多額の借金が原因で自己破産申立てを行い、同時廃止・免責が認められた事例

  1. 自己破産

担当弁護士永野 賢二
事務所久留米事務所

ご相談内容

男性

依頼主
Tさん(30代・男性) / 
職業:会社員
債務総額:500万円

福岡県大川市在住のTさんは、元夫に結婚前からの借金が約300万円あって元夫が新たに借り入れができないことから、元夫からいわゆる「名義貸し」を依頼され断れずに名義を貸しました。名義貸しによる借金は徐々に増えていきましたが、その後、元夫とTさんは離婚することになりました。
元夫との離婚後、名義貸しによる借金の返済ができない状態となり、当事務所にご相談に来られました。

弁護士の活動

弁護士

Tさんは会社員として収入があったものの、元夫からの養育費の支払いは滞っていた上、元夫からの名義貸しによる返済も期待できない状況であったことから、今後の支払いは困難と判断し、自己破産の申立てを行うこととなりました。

解決結果

男性

今回の事例は名義貸し事案ですので、管財事件となる可能性も十分考えられましたが、Tさんの子どもの養育費が大きくなるにつれ増加していること、Tさんが子どもの養育費を元夫から全く受領できておらず、名義貸しの返済も全く受けていないこと、本人の反省状況等を陳述書に詳細に記載して申立てを行いました。
その結果、今回の自己破産は管財事件ではなく同時廃止事件として処理してもらい、その後、無事に免責許可の決定がなされました。

弁護士のコメント

弁護士

いわゆる「名義貸し」による借金とは、他人が自分の名前でお金を借りること認めることをいいます。
このような借り方は、お金を貸す方(金融機関)を騙すことになるので、詐術による信用取引として免責不許可事由に該当する可能性があります。
また、名義貸しによる借金は、金融機関との契約上は名義を貸している人が借入れをしていることになるため、名義を貸している人の負債として処理されます。
そのため、名義貸しによる借金をすることは絶対にやめてほしいですが、仮に名義貸しによる借金をしてしまった場合は、名義を借りた人が多額の借入れを行って支払不能に陥る前に弁護士等の専門家に相談していただけたらと思います。