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Case 012 親族に対する継続的な金銭の交付のために借り入れた借金が原因の一部で自己破産申立てを行い、異時廃止・免責が認められた事例

  1. 自己破産

担当弁護士北島 好書
事務所朝倉事務所

ご相談内容

女性

依頼主
Lさんさん(60代・女性) / 
職業:契約・派遣社員
債務総額:1000万円以下

現在、ご主人名義の持ち家に息子と3人暮らしで生活を送るLさんから、破産手続開始・免責許可申立の依頼を受けた事案です。
Lさんは、主に清掃業のお仕事を長年されていましたが体調上の問題から退職することとなりました。
一方、Lさんの夫は、脳出血からの後遺症で障害年金を受給していましたが、年金は夫の兄が管理していました。そのため、Lさんは、義兄に言われるまま夫の病院代等の不足分を義兄に渡し、その使途について詳しく把握していませんでした。
そのような状況で、Lさんは生活費が不足するとそれを消費者金融やクレジットカード会社の借り入れで補うようになり、借金が増大したことで(相談時の借入総額は約600万円)、当事務所にご相談に来られました。

弁護士の活動

弁護士

Kさんの借金の総額が多額であること、Lさんの再就職先(パート勤務)での給与額が少額であること等から、借金の返済は不可能であると判断し、自己破産の申立てを行うことになりました。
そのため、当事務所は、債権者の取引履歴等を基に借入れの原因等を調査し、自己破産申立書を作成して裁判所に提出しました。
また、Lさんが義兄に渡していたお金の使途について義兄に説明を求める必要があるため、義兄に照会を行って調査報告書を作成しました。

解決結果

女性

裁判所は、Lさんが義兄に渡した金銭の使途などを調査する必要があると判断し、本件は破産管財事件となりました。
破産管財人の調査は、事前に調査報告書を提出していたことも奏功してスムーズに進行し、破産管財人からは、Lさんが義兄に渡していた金銭について返還を求める必要はない旨の意見が出され、無事に異時廃止、免責を受けることができました。

弁護士のコメント

弁護士

今回の事例は、債務増大の理由の一部に親族への金員交付があったことで調査のために破産管財人が選任されたケースでした。
このような場合、自己破産の申立前の段階で事前に親族に対する金銭交付の経緯について詳細な調査を行うことで、スムーズな破産事件の進行が期待できます。
自己破産等の借金問題に関するご相談は、なるべく早めに借金問題に精通した弁護士に相談して適切な対応をとってもらうことが必要だと思います。