遺族年金には、国民年金に加入している人(自営業、専業主婦、学生など)が亡くなった場合に受け取れる遺族基礎年金があります。
また、厚生年金に加入している会社員が亡くなった場合に受け取れる遺族年金には、遺族基礎年金と遺族厚生年金の2種類があります。遺族基礎年金と遺族厚生年金の受給者は以下のとおりです。
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遺言 ー 概要
遺族年金には、国民年金に加入している人(自営業、専業主婦、学生など)が亡くなった場合に受け取れる遺族基礎年金があります。
また、厚生年金に加入している会社員が亡くなった場合に受け取れる遺族年金には、遺族基礎年金と遺族厚生年金の2種類があります。遺族基礎年金と遺族厚生年金の受給者は以下のとおりです。
⇒ 国民年金に加入中の方が亡くなったとき、その方によって生計を維持されていた18歳到達年度の末日までにある子(障害者は20歳未満)のいる配偶者または子
⇒ 厚生年金に加入中の方が亡くなったとき(または、加入中の傷病がもとで初診日から5年以内に亡くなったとき)、その方によって生計を維持されていた遺族(配偶者、子、父母、孫、祖父母の中で優先順位の高い方)
遺族年金は遺族がその固有の権利に基づいて受給するもので、相続財産には含まれません。よって、相続放棄をした場合でも、遺族年金を受け取ることができます。
また、「国家公務員等共済組合法による共済年金」「国民年金の遺族共済年金」も法律で受給権者が定められています。
その結果、遺族年金と同様に、受給権者の固有の権利とされ、相続財産には含まれないので、相続放棄をしても受け取りが可能です。
遺族年金は遺族がその固有の権利に基づき受給するもので、相続財産には含まれないので、相続放棄をしても受け取ることができる。
<大阪家裁昭和59年4月11日審判>
厚生年金保険法58条は、被保険者の死亡による遺族年金はその者の遺族に支給することとし、同法59条で妻と18歳未満の子が第一順位の受給権者としているが、同法66条で妻が受給権を有する期間、子に対する遺族年金の支給を停止すると定めている。そして妻と子が別居し生計を異にした場合でも分割支給の方法はなく、その配分の参考となる規定はない。同法は、相続法とは別個の立場から受給権者と支給方法を定めたものとみられ、支給を受けた遺族年金は、固有の権利にもとづくもので、被相続人の遺産と解することはできない。
未支給年金とは、死亡した年金受給者に支給すべきなのに、支給されなかった年金のことです。なぜ、未支給年金が発生するかについては、公的年金の大原則が影響していると考えられます。
遺族年金は遺族がその固有の権利に基づき受給するもので、相続財産には含まれないので、相続放棄をしても受け取ることができる。
<公的年金の大原則>
●請求しないと受け取れないこと
●後払いであること
年金受給者本人が請求する前に亡くなってしまった場合、本来であればもらえるはずであった未支給年金が発生します。
この未支給年金は、老齢年金だけに限らず、障害年金や遺族年金を受け取っていた方が亡くなった場合にも発生しますが、未支給年金は遺族年金ではありませんので、遺族年金の請求とは別に請求する必要があります。
未支給年金は、「死亡した年金受給者の配偶者、子、父母、孫、祖父母、または兄弟姉妹」であって、「死亡の当時に生計が同一だった方」が受給することができます。
甥や姪や従兄弟は生計を同じくしていても対象となりません。
また、配偶者、子、父母、孫、祖父母または兄弟姉妹であっても、死亡当時に生計を同じくしていなかった者は対象外です(参照条文:国民年金法19条、厚生年金保険法37条、国家公務員共済組合法45条、地方公務員等共済組合法47条)。
未支給年金に関する上記規定は、相続とは別の立場から一定の遺族に対して、未支給の年金給付の支給を認めています。
その結果、未支給年金は相続財産には含まれないので、相続放棄をしても受け取ることができます。
未支給年金は、相続財産には含まれないので、相続放棄をしても受け取れる。
<最高裁平成7年11月7日判決>
国民年金法19条1項は、「年金給付の受給権者が死亡した場合において、その死亡した者に支給すべき年金給付でまだその者に支給しなかったものがあるときは、その者の配偶者、子、父母、孫、祖父母又は兄弟姉妹であって、その者の死亡の当時その者と生計を同じくしていたものは、自己の名で、その未支給の年金の支給を請求することができる。」と定め、同条5項は、「未支給の年金を受けるべき者の順位は、第一項に規定する順序による。」と定めている。右の規定は、相続とは別の立場から一定の遺族に対して未支給の年金給付の支給を認めたものであり、死亡した受給権者が有していた右年金給付に係る請求権が同条の規定を離れて別途相続の対象となるものでないことは明らかである。