Case 005 窃盗事件について、被害者から高額の示談金を請求されたため示談には至らなかったものの、不起訴処分を獲得した事例
- 不起訴
- 窃盗・詐欺・横領
- 逮捕・勾留
担当弁護士赤木 公
事務所久留米事務所
ご相談内容
依頼主
Eさん(40代・男性)
福岡県在住のEさんは、スーパーに買い物に行った際にポーチの落とし物を見つけてこれを持ち去り、中の財布から現金数万円を抜き取り、カバンと財布をごみ箱に捨てたということで、その2か月後に警察に呼び出され、警察から逮捕されました。
当事務所は、Eさんの逮捕当日の夜にEさんのご家族から連絡を受けたため、翌日早朝に警察署でEさんと接見を行い、私選弁護人として依頼を受けました。
なお、Eさんは、当初より上記事実関係を認めていました。
弁護士の活動
当事務所は、早急に検察官に対して、Eさんが被害者との示談を希望している旨を伝えたところ、Eさんは勾留されずに釈放されました。
Eさんの釈放後、当事務所は、被害者に対し、被害金の現金とポーチ・財布の被害相当額に若干の上積みをした示談金(10万円)の提案を行いましたが、被害者から慰謝料等を含む高額の示談金を請求されたため、示談交渉はまとまりませんでした。
そのため、当事務所は、Eさんと打合せを行い、示談が成立しない場合には刑事処分(略式命令・公判請求)の可能性があることを説明した上で示談金の増額は行わないこととし、報告書を作成して検察官に示談交渉の経過を詳細に報告しました。
解決結果
その結果、示談が成立していないものの、検察官は、Eが被害者に相当額の示談金を提案していることを重視し、Eさんを不起訴処分としました。
弁護士のコメント
今回のケースのように、被疑者が逮捕された場合、その後の勾留に進まないようにするためには、弁護人による早期の活動が不可欠です。今回のケースでも、Eさんと早期に接見して検察官に示談の意向を伝えたことで、Eさんに対する勾留を回避することができました。
また、今回のケースのように、被害者との示談が成立しなくても、被疑者が誠実に対応していることや被害者の請求が過大であることが示談成立に至らない理由であること等を検察官に詳細に報告することで、被疑者の刑事処分を回避できることもあります。
身内や知人の方が逮捕された場合には、早急に刑事事件に強い弁護士にご相談されることをお勧めします。