1.認め事件の起訴後の流れとは

刑事裁判では、公判期日で被告人(ニュースなどで、起訴された人を「被告」と呼んでいるのは間違いで、正しくは「被告人」です)の刑罰を決めるための審理が行われ、審理がすべて完了すると、判決が言い渡されます。
 
一般的なイメージとは異なるかもしれませんが、刑事裁判の多くは認め事件、すなわち被告人が、起訴の内容となっている犯罪事実を認めているケースです。
 
そこで、裁判員裁判の対象となるような重大事件や複雑な事件を除く、一般的な認め事件の流れを説明していきます。

2.起訴から判決までの流れについて

(1)流れの概要とは

一般的な認め事件は、公判期日における審理が1回で終了し、次の期日で判決の言い渡し期日となることが多いです。
 
検察官が起訴すると、だいたい1ヶ月から1ヶ月半後くらいに公判期日が指定され、審理が1回で終了すると、その2週間後から1ヶ月後くらいに判決が言い渡されます。


 

(2)起訴~公判期日まで

公判期日までの期間は、裁判に向けた準備期間と位置付けることができます。
 
検察官は、被告人を有罪にできる証拠を揃えてから起訴しますので、基本的に起訴後に捜査(被告人に対する取り調べなど)が行われることはありません。したがって、主に被告人側の準備期間といえます。
 
認め事件では、起訴内容の事実自体は認めていますので、審理では情状事実(罪を犯したことは前提に、その経緯に汲むべき事情があることや、更生のための環境が整っていることなど、刑を軽くする方向に働く事実)の立証が中心となります。
 
したがって、公判期日までに、情状事実を立証するための証拠を収集したり、被告人に有利な証言をしてくれる証人を探して、打合わせを行ったりします。
 
また、起訴されてしばらくすると、検察官が公判期日で取り調べを請求する証拠が開示されますので、その内容についても弁護人と吟味する必要があります。