1 概要
親権とは、未成年の子を看護教育するために、その父母に認められた権利義務の総称のこととで、子に対する財産管理権及び身上監護権のことをいいます。
(1) 財産管理権 (民法第824条)
財産管理権とは、子の財産に関する管理や子の法律行為に対する同意権のことを指します。
子の財産に関して契約や訴訟など必要に応じ法律行為を法定代理人として行うことなど、財産的側面に関する包括的な代表権限を有します。親権者は、必ず財産管理権を有することになります。
(2) 身上監護権(=監護権、同820条)
子の監護・教育のために認められる権利であり、以下の内容が含まれます。
ア 居所指定権
子の居所を指定する権限(同821条)
イ 懲戒権
子の利益のため必要な範囲内で子に対するしつけや懲戒をする権限(同822条)
ウ 職業許可権
子が職業を営むにあたり、これを許可・制限する権限(同823条)
エ 身分行為の代理権
子が身分法上の行為を行う場合にこれを代理・同意する権限(同737条、787条など)