Divorce

Case 024 夫の有責性を示す証拠が薄弱であった(風俗を利用した証拠が1回分のみ)ものの、離婚訴訟において、夫が有責配偶者に該当するとして夫からの離婚請求が棄却された事例

  1. 不倫・浮気
  2. 調停・訴訟あり
  3. 離婚

担当弁護士福本 結
事務所久留米事務所

ご相談内容

女性

依頼主
Yさん(40代・女性)

福岡県在住のYさんは、夫(Aさん)の風俗通い等をAさんに指摘したことをきっかけにAさんと別居に至りました。
Yさんは、別居後もAさんと子ども達と家族みんなで暮らすことを希望していましたが、Aさんから離婚調停を申し立てられたため、今後の対応に困って当事務所に相談に来られました。

弁護士の活動

弁護士

YさんはAさんと家族関係の修復を望んでおり、Aさんとの離婚意思がなかったため離婚調停は不成立となり、その後、Aさんより離婚訴訟が提起されました。

当事務所は、①婚姻関係は破綻していないため法定の離婚事由が存在しておらず離婚請求は認めれないこと、②仮に婚姻関係が破綻しているとの評価がなされるとしても、Aさんは同居中にラブホテルでデリバリーヘルスを利用して配偶者であるYさん以外の女性と性交渉を行っており、別居の原因はAさんの不貞にあることから、有責配偶者であるAさんからの離婚請求は認められない旨を主張しました。

これに対し、Aさんからは、①マイホーム購入計画による夫婦仲の悪化・親族関係の不和によってYさんとの婚姻関係は既に破綻していること、②ラブホテルでデリバリーヘルスを1回呼んだことは認めるが、風俗嬢に夫婦間の問題を相談しただけで身体的接触はなかったと主張し、離婚請求が認められるべきであるとの反論がなされました。

そのため、当事務所は、同居中に夫婦関係や親族関係は良好であったこと、Yさんが性病検査を受けた経緯、Aさんの反省文を作成状況等を詳細に反論した上、証人尋問も併せて行いました。

解決結果

女性

裁判所は、そもそもYさんとAさんとの婚姻関係が破綻しているとまでは認められないとして、Aさんからの離婚請求を棄却しました。
また、裁判所は、補足として、証拠上明らかなAさんの風俗通いは1回分しかありませんでしたが、別居のきっかけがAさんの風俗通いであることを認定し、Aさんはいわゆる有責配偶者に該当し、Aさんの離婚請求を認めるべき例外的事情も存在しないと判断しました。

その結果、AさんのYさんに対する離婚請求は認められず、Yさん側の全面勝訴となりました。




弁護士のコメント

弁護士

大まかにいうと、離婚訴訟において離婚が認められるためには、①夫婦(婚姻)関係が既に破綻していること、②夫婦関係が破綻していたとしても離婚請求を行う側の配偶者に有責性が存在しないことが必要になります。

今回は、そもそも①夫婦関係が未だ破綻していないとの判断を裁判所が行いましたので、②離婚請求を行った配偶者の有責性については特に問題にはなりませんでしたが、風俗通いを根拠に配偶者の有責性を主張する場合、その回数が少ない場合は有責配偶者には該当しないとの判断される可能性がありますので、注意が必要です。

松本・永野法律事務所では、離婚・男女問題に関するご相談を初回無料で行っておりますので、お気軽にお問い合わせください。