1.被害者救済を図る「製造物責任法(PL法)」
製造物の欠陥が原因で生命や身体・財産に損害が生じたことを証明した場合、その製造物の製造業者等が損害賠償責任を負うこととしているのが「製造物責任法(PL法)」です。
PL法が施行されるまでは、製品に欠陥があったこと、およびその欠陥が原因で損害が生じたことに加え、「過失」を立証する必要がありました。
過失を証明することは被害者にとって大変困難であることから、PL法では被害者救済を図るため、過失を立証しなくても、仮に製造業者に過失がなくても損害賠償できる「無過失責任」となっています。
(1)「売主の瑕疵担保責任」よりも賠償範囲が広い
ある製品を買った場合、その製品に欠陥があり損害が生じれば、民法の「売主の瑕疵担保責任」で売主へ損害賠償を求めることができます。
しかし、その場合の賠償範囲は代金程度にとどまるなどごく限られ、売主が零細な小売業者のとき支払能力のない場合もあり、人命や身体等に生じた被害を救済するには至らないケースがほとんどです。
もっともPL法ができたからといって、民法上の責任がなくなる訳ではありませんので、被害者となった場合どのような責任追求ができるかを検討する必要があります。