1. 従業員をいつ解雇するか
会社が破産するとき、どの段階で従業員を解雇するかについては、事業停止の時期をはじめ、残務処理や、売掛金の精査など経理関係の処理、破産手続き開始後の管財業務への協力の要否などの観点から、「残ってもらう必要があるかどうか」を基準に判断すべきといえます。
従業員に残ってもらう必要がなければ、破産申立て前に解雇し、早期に失業保険の給付が受けられるよう手続きをすべきです。
解雇する際は、解雇予告手当を支払うだけの資金があれば、予告手当を支払って即日解雇します。解雇予告手当を支払う資金がなければ、予告手当の支払いなしに即日解雇して、後の破産手続きにおける支払いに委ねるのが通常です。
(1)解雇予告手当とは
使用者が労働者を解雇する場合、「解雇予告制度」の適用を受けることになります。少なくとも30日前に解雇の予告をしなくてはならず、それに満たない場合、会社側は30日に不足する平均賃金を労働者に支払わなければなりません。それを「解雇予告手当」といいます。