Case 004 いわゆるダブル不倫の事案において、相手方からの不貞行為に基づく慰謝料請求に対し、交渉によって早期にゼロ和解を成立させた事例
- 不倫・浮気
- 慰謝料
- 離婚
担当弁護士松田 孝太朗
事務所大牟田事務所
ご相談内容
依頼主
Dさん(40代・男性)
福岡県在住のDさんは、既婚者である女性(Aさん)と不倫関係にありましたが、Aさんの夫である相手方(Bさん)から弁護士を通じて慰謝料(150万円)の請求を受けたとのことでご相談に来られました。
Dさんへの聞き取りの結果、Aさんとの不倫関係は間違いないとのことでしたので、Bさんに対する慰謝料の支払義務は免れない状態でした。
一方、Dさんも既婚者であり、Dさんの妻(Cさん)にも上記不倫関係が発覚したとのことでしたが、Dさん夫婦は離婚するつもりはないとのことでした。
弁護士の活動
当事務所は、Bさんからの慰謝料請求に対し、Dさんの代理人として示談交渉を開始しましたが、その後、Cさんも他の弁護士に依頼してAさんに対する慰謝料の請求を行いました。
そのため、当事務所は、Cさんの弁護士とも協議した上、Bさんの弁護士に対し、BさんのDさんに対する慰謝料請求権とCさんのAさんに対する慰謝料請求権とを互いに放棄して双方金銭の支払をせずに和解ができないか交渉を行いました。
解決結果
Bさんの弁護士によれば、AB夫婦も離婚はしないとのことでしたので、結果的にはBさんも当方からの提案を受け入れ、Aさん、Bさん、Cさん、Dさんの四者間で、DさんとAさんが不貞行為についてBさんとCさんに謝罪をし、BさんとCさんがそれぞれ有している慰謝料請求権を放棄するという内容の和解(ゼロ和解)を成立させました。
弁護士のコメント
今回のケースのように、既婚者同士で行われるいわゆる「ダブル不倫」の場合、不倫関係にある者は、それぞれ相手方の配偶者に対して不貞行為に基づく損害賠償義務を負うことになります。
そのため、仮に、不貞行為を行った当事者双方の夫婦が離婚しないのであれば、結局は互いの家計において慰謝料を請求し合うという関係にあることが多いので、今回のケースのように、金銭のやり取りをせずに4者間で和解するという方法をとることも可能な場合があります。
もっとも、そのような和解がいつも成立するわけではなく、各当事者の意向や各夫婦の状況等を踏まえてゼロ和解の可能性を検討する必要があります。
当人たちだけでは感情が先だって解決できない場合も多いため、このような場合には、離婚・男女問題に詳しい弁護士にご相談されることをお勧めします。