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【借金問題】家族や勤務先に内緒で債務整理は可能か?

2019年2月25日
家族や勤務先に内緒で債務整理は可能か

借金について相談に来られる方の中には、「家族には内緒にしているのでばれないように手続きを進めたい」といった希望をおっしゃる方がいます。
そこで、今回は、家族に秘密にしたまま債務整理を進めることの問題点等についてお話していきます。その前提としてまず知っておいて頂きたいのは、借金を返済する義務があるのはあくまで借りた本人だけで、たとえ家族といえども、本人に代わって借金を返済する義務はないということです(保証人になっている場合は別です)。
一般の方の中には、自分が返せなかったら配偶者や両親が返済しなければならなくなると勘違いをしてらっしゃる方がよくいます。 しかし、道理的にはともかく、たとえ借主のご主人であっても親であっても、本人以外が借金を返済する義務はありませんし、貸主が本人以外に返済を請求することもできません。
以上を踏まえて、以下の文章を読み進めていって頂ければと思います。

基本的な考え方

先に述べたとおり、家族に知られないように債務整理の手続きを進めたいと考える相談者の方はよくいらっしゃいます。 そして、借金を返す義務は本人にしかないのですから、必ずしも家族が債務整理に関わる必要はなく、家族に知られずに手続きを進めることは不可能ではありません。
しかし、少なくとも同居の家族に対してはすべてを話した上で債務整理の手続きを進めるべきであろうと考えます。 なぜなら、債務整理の手続きは、例えば自己破産の手続きであれば、借金を帳消しにしてお終いではなく、その後の生活再建を目指した手続きであり、そのためには、家族の理解や協力が必要な場合が多いからです。

多重債務を負ってしまった主婦を例に考えてみます。 主婦が多重債務を負ってしまう場合、家族(特にご主人)の無理解や無関心に起因していることがよくあります。 ご主人が家計のことにまったく関わっておらず、主婦である奥さん一人が思い悩んだ末に生活費等を消費者金融から借り入れてしまったり、夫婦の関係が冷め切った家庭内別居のような状況で奥さんが生活費を借り入れてしまったりといった具合です。
このような場合、仮に家族に内緒で債務整理の手続きを終了させることができたとしても、生活費に対するご主人の理解が変わらない限りは、再び借金を抱えてしまうことが考えられます。

また、先ほど家族に知られずに手続きを進めることが不可能ではないと申し上げましたが、実際には、手続きが終了するまでの間に弁護士や裁判所(個人再生や自己破産の場合)との書面・連絡のやり取りなどが多少なりとも必要になることから、秘密にしようとしても途中でばれてしまうことも多いです。 どうせばれてしまうのであれば、事前にご主人に相談する方が理解を得やすいでしょう。

勝手に借金を抱えてしまったことを家族に相談しづらいのはわかりますが、何よりも重要なのは、同じ失敗を繰り返してしまわないことです。 そのためにも、事前に家族に相談の上、手続きが終了した後のことも含めて家族と相談しながら手続きを進めていくことを基本的な考え方としておくのがよいでしょう。

どうしても家族に言えない事情がある場合

以上のように、債務整理の手続きは、家族にも事前に相談し、家族の理解を得ながら進めていくというのが基本的な進め方にはなりますが、中には、どうしても知られては困るという事情がある相談者もいらっしゃいます。

例えば、ご主人に借金のことがばれると暴力を振るわれるといった場合です。 このような場合、ご主人に借金の相談をすることが躊躇されることは理解できますが、かといって、安易にご主人に秘密で債務整理の手続きを進めてしまうと、万一、図らずしてご主人が借金の存在を知ることになった場合、予期せぬ事態により相談者が危険にさらされてしまう可能性すらあります。
このように考えると、日常的な暴力の程度によっては、そもそもご主人に借金の相談をすべきかどうかという以前に、今のご主人と婚姻関係を継続していくべきかどうか、ただちに家を出てご主人から離れるべきではないかというようなことを検討すべきかもしれません。 家庭の中に借金以外の問題もあるような場合には、今後どうするかを自分だけで思い悩むのではなく、誰かに相談してみることが何より重要です。

これまでお話してきた通り、借金は債務者個人が負担するもので、他の人がその肩代わりをさせられるわけではありません。 もっとも、借金を返せなくなってしまう人は、そもそもの生活環境に根本原因があることも多く、一人で債務整理手続きを終了させても結局同じことを繰り返してしまうことが稀ではありません。 そのような中で、借金を返せない苦しみから解放され、生活を再建していくためには、家族の方の理解や協力が大きな支えになります。 もっとも、先にも述べたように、家族に言いたくない理由は様々ですから、場合によっては、借金云々よりも、もっと根本的な問題を解決すべきケースもあるかもしれません。

したがって、相談者の方は、弁護士等の専門家に相談する際には、単に家族に知られたくないなどと要望するのみでなく、その理由をきちんと話した上で、借金以外に解決すべき問題がないかを検討してもらいましょう。
また、そのような事情を踏まえた上で親身になって相談に乗ってくれる、信頼できる弁護士を探しましょう。