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交通事故被害で弁護士に示談交渉を依頼する適切な時期とは

2019年5月20日
六法全書

「交通事故案件で弁護士?」と聞くと、示談交渉の場面や、調停・訴訟の場面での介入ということをイメージされる方が多いかもしれません。 実際、示談交渉や調停・訴訟の場面は、弁護士が最も活躍する場面の一つであり、このようなイメージ自体は間違いではありません。 しかし実際には、事故直後から弁護士が介入することができるのです。 「事故直後から介入させて、何か意味があるの?」とお思いになる方もいらっしゃるかもしれませんが、事故後の治療・交渉等をスムーズに進めていくためには、事故直後から色々な対応をしていく必要があり、これらを被害者のみで進めていくことは相当大変です。 また被害者本人で対応する場合、加害者や加害者側保険会社の担当者との連絡も継続的に取る必要がありますが、仕事や家事育児がある中で加害者側保険会社等との対応も行うことは大変煩わしく、ストレスも溜まりやすいものです。 この点、事故直後から弁護士が介入すれば、場面ごとの必要な対応やアドバイスをさせて頂くことが可能になるとともに、加害者や加害者側保険会社の担当者との連絡も弁護士の方で対応することが可能となります。

具体的な時期とメリット

(1) 事故直後

過失に争いがある場合、物損を先に示談することが多く、その過失割合は事実上示談段階では人損解決時に影響します。
また適切な過失割合で示談するには、刑事記録等を収集する必要があります。
そして怪我をした場合、病院・検査・通院頻度等の選択を誤ると、後の賠償請求の際に不利になってしまうこともあるので、このあたりの判断は重要です。

(2) 治療継続中

加害者側保険会社は、医師の判断によらず治療費を打ち切ることがあります。
これにより、被害者の経済的・精神的負担は増加し、結果、治療を止められる方が多いです。
上記のようなケースでは、適正な後遺障害認定や賠償を得ることは困難になります。

(3) 後遺障害認定前

実務上、後遺障害等級認定申請は事前認定(加害者側保険会社を通じて自賠責保険の認定を得る方法)の方法によるのが一般的だと思います。
しかし、あくまでも加害者側保険会社を通じた手続きになるため、被害者にとって有利な資料を添付する蓋然性は低く、仮に等級が認定された場合であっても、被害者に対し当然に自賠責保険金が支払われるわけではありません。
また、後遺障害の認定は初回手続(後遺障害診断書等の医証の作成等)が最も重要ですから、事前認定の結果に不服があるとして弁護士に相談しても時すでに遅く、異議申立や裁判で覆すことは困難な場合が多いように感じます。

(4) 示談交渉

実務上、加害者側保険会社は低額な任意保険基準によって賠償金を計算します。
しかし弁護士に依頼することで、賠償金額を裁判基準に合わせて示談に応じるケースが多く、結果的に示談金額を大幅にアップさせることができます。

以上のとおり、事故から出来る限り早く弁護士に相談した方が、被害者のメリットは大きくなります。