Traffic Accident Case

事例44 自賠責保険・共済紛争処理機構への申立てにより、後遺障害等級第12級を獲得した事例

  1. 慰謝料・損害賠償

依頼主<60代・男性>

事件の概要

福岡県久留米市在住の60代会社員のRさん(男性)は、大型貨物自動車を運転し、渋滞停車中、後方から進行してきた中型貨物自動車の追突を受け、その衝撃で前方に押し出され、前方に停止していた普通乗用車に玉突き衝突して、頚椎圧迫骨折、頚髄症の傷害を負い、治療を継続しましたが、頚部~上背部痛、両上肢しびれ(左>右)、頚部可動域制限、左・右肩可動域制限等の障害を残しました。

当事務所の活動

当事務所は、Rさんの後遺障害診断書等の医証を獲得し、後遺障害等級の申請を自賠責に行いましたが、自賠責より、本件事故による「脊髄の障害として」他覚的に神経系統の障害が証明されているものとは捉えられないとされましたが、頚部受傷後の障害として、第14級9号(局部に神経症状を残すもの)と判断されました。

しかし、当事務所は、上記結果に納得がいかなかったため、放射線診断専門医の協力を得て画像診断を受けたところ、骨折や脊髄損傷を疑うようなものはなく、頚椎症性変化の像であるとの鑑定を受けました。そのため、当事務所は、当初の診断内容の誤りを指摘し、追加の医証等を取り寄せた上で、自賠責に対し、画像上、神経根の圧迫が存在し、同部位の神経学的異常所見も認められることから、単なる自覚症状にとどまらず、医学的な根拠をもって他覚的に裏付け得る神経症状であるから、その後遺障害等級を12級13号として評価されるべき旨の異議申立を行いましたが、自賠責保険審査会は第14級9号の判断を維持しました。

そのため、当事務所は、自賠責保険・共済紛争処理機構へ申立を経て、Rさんは、頸部~上背部痛、両上肢しびれ、右第2、3指、右手指しびれについて「局部に頑固な神経症状を残すもの」として後遺障害等級第12級13号に認定されました(詳しくは、「末梢神経障害」を参照してください。)。

そして、当事務所は、上記結果に基づき示談交渉を開始しました。

解決と成果

加害者側は、当事務所の請求内容に対し、特段争うことなく概ね認めました。
そのため、加害者側が、Rさんに対し、既払金のほか約555万円を支払うとの内容で示談が成立し、Rさんに満足いただける結果となりました。

弁護士の所感

本件は、自賠責保険・共済紛争処理機構への申立てにより第12級13号が認定された事案でした。

自賠責保険・共済紛争処理機構とは、自賠責保険・共済から支払われる保険金・共済金等に関して発生した紛争を適確に解決するため、裁判外紛争処理機関として設立されたものであり、自賠責保険会社・共済組合から受けた等級認定に納得できない場合、同機構の調停結果によって、その結論を変更することができます。同機構の紛争処理委員は交通事故に関して専門的な知識を有し、国から認可を受けた公正・中立な立場の弁護士、医師、学識経験者であり、公正中立な立場の紛争処理委員が合議制により適確に審査します。そのため、自賠責保険審査会の判断を変更することも可能となります。

以上のとおり、自賠責の判断に納得がいかないとしても、自賠責保険・共済紛争処理機構への申立てにより認定結果が変わる可能性がありますし、その後の示談交渉において、適正な賠償を受けるためにも、弁護士に相談して頂きたいと思います。

文責

弁護士 永野 賢二