Traffic Accident Case

事例38 死亡した被害者につき、粘り強い交渉により、大幅増額に成功した事例

  1. 慰謝料・損害賠償

依頼主<10代・男性>

事件の概要

加害者が運転する普通乗用自動車が道路脇の電柱等に衝突し、同乗中の10代の男性(Lさん)が傷害を負い、救急搬送されましたが、亡くなられました。

当事務所の活動

ご遺族は、既に、加害者側から示談提示(約6504万円)を受けておりましたが、その金額が妥当かどうか分からないとの理由で相談に来られました。
加害者側の提示額を確認すると、それぞれ裁判基準よりも低額でした。そのため、当事務所は同基準に基づき示談交渉を開始しました。

解決と成果

本件事案における主な争点は、①死亡逸失利益、②死亡慰謝料でした。
加害者側は、Lさんが学生であったことから「死亡逸失利益の基礎収入を賃金センサス学歴別、生活費控除率は50%」「死亡慰謝料2000万円」と主張しました。これに対し、当事務所は、本件事故に遭わなければ、Lさんが一級建築士を目指していたことや交際相手と婚姻し子を儲けた蓋然性が高いこと、また、死亡慰謝料についても、一家の支柱となることが予定されていたこと等を主張して増額を求めました。

以上より、加害者側が、ご遺族に対し、既払金のほか9500万円を支払うとの内容で示談が成立し、結果として、大幅増額を実現することができました。

弁護士の所感

学生、幼児等の死亡逸失利益の基礎収入については、原則として、死亡した年の賃金センサスの被害者の属する性の学歴計・全年齢平均賃金を採用します。これらの被害者は、死亡時には現実の収入はなかったものですが、特段の事情のない限り、しかるべき時期に就労して収入を得ることができたであろうとみるのが相当です。もとより、その金額を確定的に認定することは困難ですが、判例上は、例えば被害者が幼児である場合にも、証拠と経験則に基づきできる限り蓋然性のある金額を認定して逸失利益の賠償を認めるべきものとされており、上記の取扱いは、このような考え方を踏まえるものです。

そのため、本件事案のように、被害者が学生であっても、具体的に主張立証することにより適正な認定を受けることは可能ですので、安易に示談をすることなく、弁護士に相談して頂きたいと思います。

文責

弁護士 永野 賢二