Traffic Accident Case

事例33 頚部から両肩にかけての疼痛(後遺障害等級第14級9号)を残した被害者につき、交通事故紛争処理センターの斡旋により、大幅増額に成功した事例

  1. 慰謝料・損害賠償

依頼主<40代・女性>

事件の概要

福岡県朝倉市在住の40代家事従事者のGさん(女性)は、駐車場内において、普通乗用自動車を運転して停車中、駐車区画から後退してきた普通乗用自動車に逆突され、頚椎捻挫及び腰部挫傷の傷害を負い、治療を継続しましたが、頚部から両肩にかけての疼痛等の障害を残しました。

当事務所の活動

当事務所は、Gさんの後遺障害診断書等の医証を獲得し、後遺障害等級の申請を自賠責に行い、自賠責より、頚部から両肩にかけての疼痛について「局部に神経症状を残すもの」として後遺障害等級第14級9号に認定されました(詳しくは、「末梢神経障害」を参照してください。)。
そして、当事務所は上記認定結果に基づき示談交渉を開始しましたが、加害者側が増額に応じなかったため、交渉は決裂しました。そのため、当事務所は、交通事故紛争処理センター福岡支部に紛争解決のための申立てを行いました。

解決と成果

本件事案における主な争点は、①休業損害、②後遺障害逸失利益でした。

休業損害について、加害者側は、休業期間を通院実日数の半分とする旨主張しましたが、当事務所の立証活動により、嘱託弁護士は、休業期間を通院実日数とする斡旋を行いました。

また、後遺障害逸失利益について、加害者側は、労働能力喪失期間は3年とすべき旨主張しましたが、当事務所の立証活動により、嘱託弁護士は、本件後遺障害の内容・程度に鑑み、労働能力喪失期間を5年とするのが相当とする斡旋を行いました。

以上の結果、加害者側が、Gさんに対し、既払金のほか約173万円を支払うとの内容で示談が成立し、結果として、大幅増額を実現することができました。

弁護士の所感

家事労働については、被害者がある程度の傷害を受けてもなおこれを一定の範囲で行っていることがしばしばであり、そのような場合には、実際に制限を受けた範囲で休業が生じたとみることとなりますが、医師より就労制限等の指示を受けていない限り、カルテや陳述書等による立証が必要となります。

また、労働能力喪失期間については、外傷性頚部症候群の場合には一般的に制限され、12級で10年程度、14級で5年程度とされる例が多くみられます。これは、外傷性頚部症候群などの神経障害は、この程度の時が経過すれば治癒していくことが医学的に一般的な知見であることに基づいているものであり、本件事案において、嘱託弁護士が労働能力喪失期間を5年としたことにはやむを得ないものでした(もっとも、3年の提示から5年に伸長することができました。)。

本件のように、家事従事者の休業損害等については、具体的に主張立証することにより適正な認定を受けることは可能ですので、あきらめずに、弁護士に相談して頂きたいと思います。

文責

弁護士 北島 好書