松本永野法律事務所
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Case 022 知人から事業(飲食業)を承継して法人を設立した後も知人が事実上経営を行っていた(代表者が事業内容をほとんど把握していない)ケースで、法人破産申立てを行った事例

  1. 法人破産

担当弁護士松田 孝太朗
事務所大牟田事務所

ご相談内容

男性

依頼主
株式会社Vさん( ・男性)
債務総額:1000万円超

Aさんは、知人であるBさんが個人で経営していた飲食店の経営引継ぎを依頼されたため、同事業を承継するための法人である株式会社Vを設立しました。
もっとも、Aさんには飲食業のノウハウがなかったため、株式会社Vの設立後もBさんが事実上飲食店を運営している状況でした。その後、株式会社Vが経営する飲食店は、天災(水害)によって一部の店舗を閉鎖せざるを得なくなり、残った店舗も赤字が続く状況になりました。
その後、Bさんは、Aさんの承諾なく勝手に飲食店を閉めて連絡が取れなくなったことから、これ以上V社の経営を続けることは困難と判断し、V社の破産についてご相談に来られました。

弁護士の活動

弁護士

AさんはV社の代表者でしたが、実質的な経営は知人であるBさんが行っていたため、経営実態について詳細な聴き取りはできませんでしたが、毎年の決算は行われている状況でした。
そのため、当事務所は、過去の決算書等の会計資料から債権者を特定して速やかに債権者に受任通知を発送して債権者を把握した上、V社の顧問であった税理士からも聞き取りを行いつつ破産申立てを行いました。

解決結果

男性

当事務所からのV社の破産申立て後、法人破産であるため当然に破産管財人が選任され、調査が行われました。
この際、Aさんと管財人の打ち合わせに同席し、当事務所から破産に至る経過や現在の状況について破産管財人に詳しく説明しました。
その後、破産管財人は、V社の債権者である知人Bらに貸金の返還を請求しましたが、連絡等が一切取れなかったことから回収可能性がないことが裁判所に認められ、第1回集会で破産手続は終了しました。

弁護士のコメント

弁護士

今回のケースのように、法人の代表者であるにもかかわらず、ご自身は実質的な経営を行っておらず、単に資金提供者として代表者に就任され、それ以外の方が実質的な経営を行っているという場合があると思います。
このような場合には、法人の代表者が経営について実態を十分に把握しておらず、会社財産や債権者などを特定することが困難なことがあります。
また、法人破産の場合は、個人の自己破産に比べて会社財産や負債の額が大きく、膨大な資料から必要な情報を収集する作業や債権者による自力救済の防止など多くの配慮が必要となる場合も多いため、早期に弁護士への相談をお勧めします。