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事例16(交際相手に多額のお金を渡して負った借金を自己破産で整理した事案)

  1. 自己破産

依頼主Pさん(女性)、職業 無職、借入先 銀行・消費者金融・奨学金、債務総額 約500万円

1.ご相談に至る経緯

大牟田市在住のPさん(女性)から、自己破産申立・免責許可申立の依頼を受けた事案です。
Pさんはもともと自動車ローンの支払いの他に買い物でクレジットカードを使用していましたが、働いていて収入もありましたので、毎月確実に返済をしていました。
しかし、当時結婚を前提に交際していた男性へ頻繁にお金を貸すようになったことから、収入を超えた借り入れを繰り返すようになりました。
また、Pさんから借りたお金以外にも男性はPさんのクレジットカードを自由に使用していたため、Pさん自身も何にいくら利用したかわからないような状態でした。
男性はPさんから返済を要求されてもPさんのクレジットカードでギフト券を購入し換金した現金を渡すなどしており、最終的には月の支払いが30~50万円にも膨らんでしまいました。
Pさんは退職金を返済に充てようと思い退職しましたが、退職金はもらえませんでした。仕事を辞めて収入もない状態でこれ以上返済することはできないと思い、当初は別の法律事務所に自己破産の依頼をしていましたが、着手金の積立に時間がかかることから契約を解除し、当事務所にご依頼をされました。

2.当事務所の活動

現在収入がない状態であり返済は不可能であること、本人が早期の解決を強く希望していたことから、法テラスの民事扶助を利用し、自己破産の申立を速やかに行うこととなりました。
元交際相手から言われるがままにお金を借りて貸し渡したり、クレジットカードを自由に使えるように渡したりしていたことが債務増加の主な原因であるため、免責調査型の管財事件となる可能性がありました。管財費用は法テラスの立替金制度の範囲外ですので、管財事件と判断された場合には、管財費用を家族に援助してもらう約束を予め取り付けていただきました。
また、受任通知を出した後に債権者2社より求償金返還請求訴訟を提起されたため、Pさんの訴訟代理人として裁判手続を行いました。

3.解決と成果

当初の想定通り免責調査型の管財事件となったため管財人が選任され、Pさんの免責調査と元交際相手に対する貸金返還請求が検討されました。しかしながら、相手方の所在を調査する方法がなく、仮に所在が判明したとしても他にも多額の借金があるようであるため、事実上回収は困難と判断されたことから、相手方へ返金を請求することなく、無事に免責許可の決定がなされました。

4.弁護士の所感

同棲していた交際相手にお金を貸したり生活費を出したりしていた場合、後々になって返済でもめるようなケースもよく見受けられます。その際、口頭でお金の受け渡しがされること多く、貸し付け日や金額が特定できないのが大半と思います。
そのような場合、ご自身は自身の借金の返済に追われ、元交際相手に対して貸金返還請求を求めることも難しく、どうすればいいのかと不安になられる場合も多いと思います。
しかし、そういったケースにおいても、ご自身の生活状況や交際の経緯、元交際相手の現在の経緯の調査等を行い、生活再建を目指すことは可能です。また、破産手続きの中で、元交際相手に対して貸金返還請求を検討するという場合もあります。
このような男女関係が関わっているようなケースにおいては、自己管理の甘さや相手に対しての愛憎入り混じった気持ちから、中々第三者に話すことに抵抗を感じる場合も多いと思いますが、ご自身の今後の生活のためにも、早めに専門家に相談することが大切です。

文責:弁護士 松田 孝太朗