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事例10(友人との飲食費等が遊興費として「浪費」に該当しうる状況であったものの、同時廃止・免責が認められた事例)

  1. 自己破産

依頼主Jさん(30代男性)、職業 無職、借入先 消費者金融・クレジットカード会社、債務総額 約140万円

1.ご相談に至る経緯

もともと派遣労働等で何とか生活をしていたJさんでしたが、友人との飲み代などの遊興費の出費がかさみ、借金をしては家族からの援助を受けて返済を行っていました。
その後もJさんは生活費や遊興費で借金をしてしまいましたが、以前借金を肩代わりしてもらった手前、お金が足りないとは家族に言い出せないまま、自転車操業の状態に陥っていきました。
しかし、Jさんが交通事故で長期入院し、借金の返済が遅れたことで、債権者から支払い督促が自宅へ届き、ご家族がJさんの状況を知って相談にいらっしゃいました。
Jさんは、交通事故による後遺症で歩行も大変になり、今後仕事をすることも難しくなったため、自己破産の申し立てをする予定でご依頼をいただきました。
Jさんは、生活費に加えて友人との飲食代(遊興費)が理由での借金もあったので、無事に破産が認められるのか不安に思われているようでした。

2.当事務所の活動

友人との飲食費等の遊興費は「浪費」として免責不許可事由に当たりうるものではありますが(破産法252条1項4号)、Jさんが借金をするまでに至った経緯や現在の状況等を裁判所に説明をすることで、同時廃止及び免責許可決定を得るべく活動を行いました。
また、Jさんの借金の理由や現在の状況等について、手書きの反省文を書いていただき、裁判所に提出しました。

3.解決と成果

そもそもの遊興費による借金や、その後家族へ相談できないまま返済のための借り入れを続けていたこと等について、その経緯を裁判所へ報告書を提出して説明を行い、また、事故の後遺症等で仕事先がうまく見つからないが、依頼者にはリハビリをしながら仕事先を探す等労働の意欲が強くあり、家族のサポートの元で再建を目指す旨を裁判所へ伝えました。
結果として、同時廃止決定が出され、免責も認められました。

4.弁護士の所感

生活費を超える飲食費等の遊興費による借金は、一般的に免責不許可事由に該当するとされています。
しかし、借金全体に占める割合やその経緯、反省の状況等によっては、裁量免責を求めることは可能です。   また、免責不許可事由がある場合、その調査のために管財人が選任されるケースが多くありますが、破産申立代理人側で綿密な聴き取りと調査を報告書という形で提出することで、同時廃止が認められる可能性もあります。
借金の理由によって、家族に相談できずに一人で抱え込んでしまう方も多いかもしれません。今回のJさんも、偶々ご家族が裁判所からの支払督促を確認したことで破産につながりました。
しかし、その状況によっては上記のように無事破産・免責が認められる例もありますので、早めに専門家へご相談されることをお勧めします。

文責:弁護士 松田 孝太朗