各自治体広報誌に掲載されました 2019年4月1日号

  • 広報くるめ2019年4月1日号
    広報くるめ2019年4月1日号
  • 広報あさくら2019年4月1日号
    広報あさくら2019年4月1日号
  • 市報かすが2019年4月1日号
    市報かすが2019年4月1日号
  • 広報いとしま2019年4月1日号
    広報いとしま2019年4月1日号
  • 広報うきは2019年4月1日号
    広報うきは2019年4月1日号
  • 広報みやま2019年4月1日号
    広報みやま2019年4月1日号
  • 広報ちくぜん2019年4月1日号
    広報ちくぜん2019年4月1日号
  • 広報ながさき2019年4月1日号
    広報ながさき2019年4月1日号
  • 広報いさはや2019年4月1日号
    広報いさはや2019年4月1日号

【労務問題】企業秘密の漏洩を防止するための注意点

具体的な就業規則や雇用者との契約の記載例

1 総論
  営業秘密等について,会社(使用者)と労働者との間で,秘密保持契約をきちんと結んでいることは少ないと思います。
では,そのような会社(使用者)が労働者との間で,どのような秘密保持契約を結べばいいのでしょうか。
  本稿では,その点について,具体的な記載例を示しながら,検討したいと思います。

2 包括的な方策~就業規則の記載例~
 (服務規律や遵守事項の記載例)
 ⑴ 会社の施設,設備,製品,材料,電子化情報等を大切に取り扱い保管し,会社の許可なく私用に私用しないこと
 ⑵ 従業員は,会社の許可なく,書類や社品を会社外に持ち出さないこと
 ⑶ 従業員は,会社の内外を問わず,在職中,又は退職若しくは解雇によりその資格を失った後も,会社の秘密情報を,不正に開示したり,不正に使用したりしないこと
 ⑷ 従業員は,退職時に,会社から貸与されたパソコンや携帯電話等,会社から交付を受けた資料(紙,電子データ及びそれらが保存されている一切の媒体を含む)を全て会社に返却すること
3 個別的な方策~雇用者との契約の記載例~
 (従業員等の入社時の記載例)
 ⑴ 在職時の秘密保持
   貴社の秘密情報(製品開発に関する技術資料,製造原価及び販売における価格決定等の貴社製品に関する情報などと明記する)について,貴社の許可なく,不正に開示又は不正に使用しないことを約束いたします。
 ⑵ 退職後の秘密保持
   秘密情報については,貴社を退職した後においても,不正に開示又は不正に使用しないことを約束いたします,退職時に,貴社との間で秘密保持契約を締結することに同意いたします。
 ⑶ 第三者の秘密情報
  ア 第三者の秘密情報を含んだ媒体(文書,図面,写真,USBメモリ,DVD,ハードディスクドライブその他情報を記載又は記録するものという。)を一切保有しておらず,また今後も保有しないことを約束いたします。
  イ 貴社の業務に従事するにあたり,第三者が保有するあらゆる秘密情報を,当該第三者の事前の書面による承諾なくして貴社に開示し,又は使用若しくは出願(以下「使用等」という。)させない,貴社が使用等するように仕向けない,又は貴社が使用等しているとみなされるような行為を貴社にとらせないことを約束いたします。
 (従業員等のプロジェクト参加時の記載例)
 ⑴ 秘密保持の誓約
   会社の許可なく,本プロジェクトに関して会社が秘密情報として指定した情報(以下「対象秘密情報」という。)を,本プロジェクトの参画者以外の者に対し開示し,又は本プロジェクト遂行の目的以外に使用しないことを約束いたします。
 ⑵ プロジェクト終了後の秘密保持等
  ア 対象秘密情報を,公知になった事実を除き,本プロジェクト終了後(退職後も含む。)も,不正に開示又は使用しないことを約束いたします。
  イ 本プロジェクトを終了するとき,本プロジェクトを担当しなくなったとき,又は会社による要求があるときには,対象秘密情報が記録等された会社の文書等(文書,図面,写真,USBメモリ,DVD,ハードディスクドライブその他情報を記載又は記録するものという。)又は物件であって自己の保管するものを,遅滞なくすべて会社に返還し,その旨書面にて報告いたします。
  ウ 対象秘密情報が自己の文書等に記録等されているときには,当該情報を消去するとともに,消去した旨(自己の文書等に対象秘密情報が記録等されていないときは,その旨),書面にて報告いたします。
 (従業員等の退職時の記載例)
 ⑴ 秘密保持の確認
   私は貴社を退職するにあたり,次に示される貴社の秘密情報(同上)に関する一切の資料,媒体等(文書,図面,写真,USBメモリ,DVD,ハードディスクドライブその他情報を記載又は記録するものをいう。)について,原本はもちろん,そのコピー及び関係資料等を直ちに貴社に返還,消去又は廃棄し,その情報を自ら保有していないことを確認いたします。
 ⑵ 退職後の秘密保持の誓約
   貴社の秘密情報を,貴社退職後においても,不正に開示又は不正に使用しないことを約束いたします。
 ⑶ 契約の期間
   本契約は,〇年間有効とします。ただし,秘密情報が公知の事実となった場合は,その時点をもって本契約は終了することとします。

4 結語
本稿では,事前の方策としての就業規則の記載例,事後の方策としての誓約書の記載例を検討しました。
  もっとも,これらの記載例は,一般的な例に過ぎません。一番重要なことは,就業規則や各種誓約書等の書面における条項の内容です。この内容は,個別具体的事情を踏まえた上で記載する必要があります。実際に就業規則等を策定したり,契約書等を作成したりする時には,会社の業務の内容,実態,秘密情報の範囲や利用態様など個別具体的事情に応じ,会社にとってどのような内容とすることが適切であるかという視点から,検討した上で,条項の取捨選択や内容の変更が必要です。
  条項の取捨選択や内容の変更といっても,他の法令も含めた法的視点からの検討も必要となります。そこで,専門家の意見を聴きながら,就業規則や誓約書等の契約書について,考えてみませんか。

各自治体広報誌に掲載されました 2019年3月1日号

  • 広報くるめ2019年3月1日号
    広報くるめ2019年3月1日号
  • 広報あさくら2019年3月1日号
    広報あさくら2019年3月1日号
  • 市報かすが2019年3月1日号
    市報かすが2019年3月1日号
  • 広報いとしま2019年3月1日号
    広報いとしま2019年3月1日号
  • 広報やながわ2019年3月1日号
    広報やながわ2019年3月1日号
  • 広報うきは2019年3月1日号
    広報うきは2019年3月1日号
  • 広報みやま2019年3月1日号
    広報みやま2019年3月1日号
  • 広報ちくぜん2019年3月1日号
    広報ちくぜん2019年3月1日号
  • 広報ながさき2019年3月1日号
    広報ながさき2019年3月1日号
  • 広報いさはや2019年3月1日号
    広報いさはや2019年3月1日号

【企業法務】従業員の車両を通勤・業務に使用させる場合の注意点

自家用車

使用者責任等について

Q:従業員の自動車(以下、「マイカー」という。)を会社が積極的に提供させ、事故を起こした場合、会社は責任を負うか。

A:マイカーが純粋に通勤だけに利用されており、業務に一切使用されていない場合には、「事業の執行について」生じたものとは言えず、使用者責任は生じない(最一小判昭和52年9月22日・民集31巻5号767頁)が、業務にも利用していた場合には、会社は、業務中はもとより、通勤中の事故であっても、運行供用者責任および使用者責任を負う。

要旨(最一小判昭和52年12月22日・裁判集民122号565頁)

会社の従業員が通勤のために利用する所有自動車を運転して工事現場から自宅に帰る途中で事故を起した場合に、同車が、会社の概括的承認または特別の指示のもとに、会社または従業員の自宅と工事現場との間の往復等会社業務のためにもしばしば利用され、その利用に対して会社から手当が支給されていた等の事情のもとでは、右事故につき会社は運行供用者としての責任を負う。

もっとも、近時の裁判例(福岡地裁飯塚支判平成10年8月5日・判タ1015号207頁)は、会社がマイカー通勤について通勤手当を支給していた事案につき、「通勤を本来の業務と区別する実質的な意義は乏しく、むしろ原則として業務の一部を構成するものと捉えるべきが相当である。

したがって、マイカー通勤者が通勤途上に交通事故を惹起し、他人に損害を生ぜしめた場合(不法行為)においても、右は『事業の執行につき』なされたものであるとして、使用者は原則として使用者責任を負うものというべきである」として、比較的緩やかに業務執行性を認定し、使用者責任を肯定しているものもあるため、注意が必要である。
(Q&A人事・労務リスクマネジメント実務全書 834、835頁)

雇用契約について

Q:従業員が事故を起こした場合、使用者責任を負わない方法はあるか。

A:前記のとおり、マイカーを業務にも利用していた場合には、会社は、業務中はもとより、通勤中の事故であっても、使用者責任を負う。

そして、雇用主は、被用者の選任および事業の監督につき相当の注意を払ったことを立証するか、または、相当の注意をしても損害が発生していたであろうことを立証することで使用者責任を免れることができる(民法715条1項ただし書)と定められているが、現在では、使用者の免責を認めるものはなく、事実上、無過失責任となっている。よって、仮に、雇用契約書や誓約書等で免責条項を入れられたとしても、同条項は無意味であると思料する。

雇用契約に関して、調査したが、免責条項に関する記載はなかったが、消費者契約法第8条1項1号では「事業者の債務不履行により消費者に生じた損害を賠償する責任の全部を免除する条項」は無効とされている。

以上より、雇用主としては、労働契約の不履行について損害賠償額を予定する契約を定めておきたいものであるが、これは労働基準法第16条で禁止されている(但し、ここで禁止されているのは予約等であり、実際に発生した損害を労働者に求めること自体は禁止されていない。)。

保険契約について

Q:自家用の保険契約後、有償運送中に事故が生じた場合、保険金の請求はできるか。

A:営業用に使用したとされ、請求できない場合もある。

自動車の用途を自家用として契約したにもかかわらず、実際には有償運送のように供していた事案で、保険者免責が認められた裁判例として以下のものがある。

要旨(東京地判昭和48年11月6日・判例時報735号79頁)

自動車対人賠償責任保険において目的自動車を自家用と約したにかかわらず、事故当時、業として他人の求めに応じて、当該自動車を用いて有償で綿糸を運送した場合には、免許の有無にかかわらず、当該自動車を営業用に使用したものと認めるべく、保険証券記載以外の用途に使用中に生じたものとして、保険会社は損害填補の責に任じない。
(弁護士のための保険相談対応Q&A 200頁)

意見

前記内容を検討すると、マイカーを業務にも利用するということであれば、使用者責任を回避することを考えるのではなく(回避不可能と考えておいた方がよい)、まず何よりマイカーが十分な損害保険に加入しているかどうかを会社側でチェックし、加入していない場合は加入を指導することが肝要であり、また、補償が不足していないか、契約期間が切れていないかなども、必ず確認するよう徹底すべきであろう。

もっとも、前記のとおり、保険契約において、免責の対象になる可能性もあるので、それについては、本人の責任の下、対応してもらうしかない。

各自治体広報誌に掲載されました 2019年1月1日号

  • 広報くるめ2019年1月1日号
    広報くるめ2019年1月1日号
  • 広報あさくら2019年1月1日号
    広報あさくら2019年1月1日号
  • 市報かすが2019年1月1日号
    市報かすが2019年1月1日号
  • 広報いとしま2019年1月1日号
    広報いとしま2019年1月1日号
  • 広報やながわ2019年1月1日号
    広報やながわ2019年1月1日号
  • 広報うきは2019年1月1日号
    広報うきは2019年1月1日号
  • 広報みやま2019年1月1日号
    広報みやま2019年1月1日号
  • 広報ちくぜん2019年1月1日号
    広報ちくぜん2019年1月1日号
  • 広報ながさき2019年1月1日号
    広報ながさき2019年1月1日号
  • 広報いさはや2019年1月1日号
    広報いさはや2019年1月1日号